今年度も演劇的手法を用いたコミュニケーション教育の授業が始まりました♪

77日(金)、奈義小学校4年生と6年生とに演劇的手法を用いたコミュニケーション教育の授業が行われました。今年度は初めての授業です。小学校4年生へは平田オリザさんが講師で「コミュニケーションゲーム」を、小学校6年生へは特定非営利活動法人PAVLIC理事長の田野邦彦さんが講師で「ジェスチャーゲーム」を行いました。

 

小4生の「コミュニケーションゲーム」では、数人ずつに分かれたグループに台本を渡し、それぞれの役の演じ、歩きながらセリフを重ねていく、ということをしました。一通り全部のグループが演じきったところで、平田さんから「それぞれのグループで、セリフを変えてみよう」との指示が出ました。各グループでセリフをどう変えるか、さらにはどうアクションを加えるか、とアイデアが次々と出されて、相談や練習が始まります。もう一度各グループが演じると、セリフが方言になったり、人の名前が先生の名前になったり、アクションが大きくなったりしました。

小6生の「ジェスチャーゲーム」では、グループごとに渡されたお題をジェスチャーで表し、見ている人が何の動きかを当てるゲームです。一通り全部のグループがし終わったところで、またお題の書かれたカードが見えないように渡されます。さきほどのお題に加えて、新しいお題の内容を融合させたものをジェスチャーで表現するのです。新しいお題を見ると、すぐに次々とアイデアを出し、相談や練習が始まります。各グループのジェスチャーは、とても創造的な工夫が加えられていて、とても見応えのあるものになっていました。

まず一度やってみて、自分にもできると安心したところで、ワンランクアップした課題を与えることになるのですが、自分は、もしくは自分たちはできる、と安心や自信を持っているために、さらなる課題が重荷とならず、新しい楽しい挑戦として興味深い楽しみとなり、すさまじい集中力で相談や練習に突入していきます。

各グループの発表のあとに講師の先生から何がどう良かったかについての短い講評がされます。一見ほんの些細なことについても取り上げて「良い振りだったねぇ」「素晴らしい工夫だったねぇ」とコメントされます。自分なりにこっそりとした工夫を、大きくとりあげて褒められる、といった体験ができた子どもがかなりいたのではないかと感じました。講師の観察眼の素晴らしさと、的確にコメントする表現力にも感嘆しました。

 

    仲間を集める。②役割を決める。③練習する。

 

放課後の教員研修の際に、授業等について平田さんから簡単に説明がありました。演劇的手法を用いたコミュニケーション教育の授業とは、この三つを繰り返しするだけです、とおっしゃいました。今回この部分ではグループ(=仲間集め)は決まっていましたが、グループに分かれた後は、たしかに役割を決めて練習し、みんなの前で発表し、次に新しい課題が与えられたら、また役割を決めて練習し、みんなの前で発表する、というものでした。

このことは社会人となっても同様のことだと気づくと、プログラム構成の巧みさに感銘を受けるとともに、子どもたちへの教育として、とても秀逸な授業だと感動しました。

 

今後、3年後には学校の先生方が主となって演劇的手法を用いたコミュニケーション教育の授業を行うという目標に向けて、今年度は小4生、小6生、中1生に対して各学期に1回ずつ授業が行われます。

(黒瀬)