2017こどもクリエーター交流キャンプin奈義町

7/15(土)~16(日)に「2017こどもクリエーター交流キャンプin奈義町」が行われました。昨年度に引き続いての企画です。

岡山市や倉敷市など県南部の20人と、奈義っ子20名、総勢40名で、5人ずつ8つの班を構成し、交流を図りながら、「STEMプログラム」を軸に行いました。「STEMプログラム」とは、ワオ・コーポレーションと東京学芸大学こども未来研究所との共同研究開発をベースに再構築したもので、S:Science(サイエンス 理科 実験や観察から法則性を見出す)、T:Technology(テクノロジー 技術 最高のしくみを見つけて応用する)、E:Engineering(エンジニアリング ものづくり しくみを設計して役に立つものをつくる)、M:Mathematics(マセマティックス 算数 数字を使い筋道を立てて説明する)をそれぞれ関連づけて一緒に学ぶプログラムです。プログラミング×ものづくりの体験を通して、周りと協働しながら課題を発見し解決する力が自然と身につくのが狙いです。

初日は集合してガイダンス等を経て昼食後から「STEMプログラム」が始まりました。

まずは、ストロー10本、輪ゴム5本、ハサミのみでどれだけ高い塔を建てられるかに挑戦。これを通じてプログラミングで重要な「予測すること」「記録すること」を練習。立てられなかった班もあれば、50㎝を超える班もありました。

次に自分たちでプログラミングしてPC操作で動かすベースカーを自分たちで組み立て、動かす練習。役割分担を決め、交代しながらプログラミングを進め、ベースカーの動きを複雑にしていきます。ベースカーの動きを「岡山県のツアーガイドをしよう!」という物語に仕立ててたものを翌日の発表に向けて準備していきます。

初日は日中に奈義町現代美術館の見学をしたり、夕食は奈義ビーフや菜の花米メインのBBQを楽しみ、夜は曇天のため予定されていた天体観測のかわりに地元の博士、芦田栄徳先生の御指導での科学実験を楽しみました。

二日目は自分たちで整えた朝食を食べたら、一気に発表へ向けて準備や練習を重ねます。

いよいよ発表となると、何らかのトラブルが発生したり、まだ準備が間に合わなかったりで、せっかくの準備の成果が発揮できないグループもありましたが、ベースカーの動きとイラストや解説が見事に一致する素晴らしい発表ができたグループもありました。

午後からは「さんぶたろうツアー」として、奈義の昔話の活動をされている入澤知子さんの語りによる「さんぶたろう」を聴いた後、さんぶたろうの頭部が祀られているという三穂神社、法然上人の最初の修行地であり、国の天然記念物に指定されている大イチョウがある菩提寺を巡りました。戻ってきてからは『今も生きている巨人 伝説さんぶたろう』を編集した「民話さんぶたろう研究実行委員会」の中心メンバーの一人である松村謙さんによる「さんぶたろう」にまつわることの講話も聴いてもらいました。

最後に「STEMプログラム」チームへの各種表彰が行われ、一泊二日に渡る「2017こどもクリエーター交流キャンプin奈義町」は終了となりました。

貸し切りの大型バスで県南方面へ帰る子どもたちを、大きな声や身振りで見送る奈義っ子たちの様子を見ていると、ごく短時間であっても、人間関係をそれなりに構築したり深めたり、新しいことに挑戦したりすることができる、子どもたちの柔軟性や吸収力に、改めて明るい希望と期待を、痛切に感じました。

(黒瀬)