世界で活躍する映画監督・深田晃司さんによるメディアリテラシーの授業が行われました!

125()に奈義町文化センターにて、奈義中学校全校生徒を対象に、映画監督・深田晃司さんによる「メディアリテラシー」の授業が行われました。深田晃司さんは、昨年、浅野忠信主演『淵に立つ』にて第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞された、今日本で最も注目されている若手映画監督です。

 

現代人は映画やテレビや動画サイト等、映像に触れる機会がとても多いです。

今回の授業では、深田さんの監督作品『いなべ』、リュミエール兄弟による世界最初の映画『工場の出口』を鑑賞し、映像のウソを見抜くためのメディアリテラシーについて学びました。

 

たとえば、奈義町PRの動画。

今回、深田監督が特別に奈義町のPR動画を作ってくださり、動画の中では奈義町の画像がいくつか流れます。

一回観ただけでは「奈義町ってこんな町なんだ」と素通りしてしまいますが、実はこの中に奈義町の景色ではない画像が1枚だけ混じっているというのです。深田監督は生徒に「どの写真が奈義町の景色ではないかわかりますか」と問いかけますが、生徒たちの意見は分かれています。

結局、菜の花畑に連峰が聳え立つ景色が奈義の景色ではありませんでした。「菜の花」「連峰が聳え立つ」まさに奈義のイメージでしたが、よその県のものでした。

これを見抜くのはけっこう難しそうです。映像はこんなにも簡単にウソがつけて、視聴者はこんなにも簡単に騙されてしまう。

深田監督は「映像は世界をよりよく映し出しますが、全ての映像には意図があります」と、日ごろから能動的に映像を見る重要性について語られました。

 

映画監督によるメディアリテラシーの授業は、やがて「表現すること」「世界とは何か」といった本質的な話へ。深田さんは、中学時代にスペイン映画『ミツバチのささやき』に出会い、これがきっかけで映画を沢山観るようになったそうです。

「中学や高校の頃にインプットした映画や小説や音楽が、自分の90パーセントを形成しています。いま皆さんは人生で一番吸収しやすい時期を生きています。自分の趣味嗜好だけではなく、自分が生まれる前に発表された作品や、友だちや先生が勧めてくれた作品などを沢山吸収して、自分の世界を広げていってください」。

世界で活躍する映画監督の言葉は、奈義の中学生の胸にどのように響いたでしょうか。

(菅原)