アンドロイド演劇「さようなら」の公演を開催しました

8月4日(土)に奈義町文化センターで、青年団+東京藝術大学+大阪大学ロボット演劇プロジェクト「さようなら」の青年団による公演を開催しました。
奈義町内はもちろん、岡山市や大阪など町内外から200名近い方がお越しになり、大盛況のうちに終えることが出来ました。

公演前には、岡山県内の高校演劇部の生徒達と平田オリザさんとの交流会が行われました。
学生からの「演技の指導をどうすればうまくやれるのか」という質問に対して「もう少し悲しそうに、といった抽象的な指導だと伝わらない。誰もが経験しているような事例をつかって具体的に理解できる内容で伝えることが大事だ」と答えるなど、平田オリザさん自身が実践している内容を聞くことができ、生徒達にとっては貴重な体験になったのではないでしょうか。
最初は緊張していた生徒達も、会話が進むに連れ肩の力が抜けたのか、次の演劇コンクールに向けた質問が多くでるなど、実りある交流会でした。

「さようなら」は死を前にした女性と、詩を読み続けるアンドロイドのお話で、役者2名とアンドロイド1台で構成される30分ほどの演劇です。
短いからといって物足りないといったことは一切ありませんでした。
舞台にいるアンドロイドがあたかも自分の意思があるように見える瞬間があり(実際は決められたタイミングで動きやセリフが出ているだけなのですが)、アンドロイドを通して感情や心とは何なのか、といった人間について考えさせられる内容でした。

また、舞台装置は椅子と役者とアンドロイドのみで、出演もアンドロイドと俳優2名(しかも俳優同士は同時には出てこない)という最小限の構成。かつ、相手がアンドロイドなので、俳優はセリフのタイミングを間違えられない、という緊張感のある舞台で当たり前のように演劇を成立させる、青年団の精度の高さを改めて思い知る公演でした。

アフタートークでは「この演劇を作ったのは大阪大学の石黒浩先生から、アンドロイドを作ったから使ってくれと無茶振りされたのがきっかけ」、「アンドロイドが人のように自然に見えるのは、ロボットの動きを細かく演出しているから」といった裏話もたっぷりと聞け、充実した時間を過ごすことが出来ました。
また、質疑応答も15名をこえる方から質問をいただき、アンドロイド演劇が観客に与えたインパクトの強さを感じました。

終了後の書籍販売では、即席サイン会が始まっていました!

今回の公演は無事に終えることが出来ましたが、これに満足せず、今後も魅力的なイベントを開催していきたいと思います!
(長田)