みんなのおうちぽっかぽかの視察研修「たんぽぽの家」in奈良~障害がある人たちの福祉、アート、デザイン、ビジネスへの取り組みを学ぶ

「異なるものの分野を超えて新しい価値を創造する。
障害、世代、性別、地域など、ちがいを認めあう文化をつくる。」
こんな社会の実現をめざして事業を展開されている
「たんぽぽの家」に、視察研修に行ってきました。

2月15日 奈良市六条西
住宅街の中にあるバス停を降り、数分歩くと「たんぽぽの家アートセンターHANA」に到着。近くにある「六条山カフェ」で昼食をとる。「地域で安心して暮らす」を支えるカフェ、「縁のある場所をつくる」をキーワードにサロン活動もされている。とても素敵で居心地のよい‟人がつながるコミュニティカフェ‟でおなかも心も満たされたあと、再びアートセンターHANAに戻りお話を聴く。

アートを通しての関わり、表現することを大切に、その人らしく生きる地域づくりをコンセプトに、エイブルアート・プロジェクト、わたぼうしプロジェクトなどの活動や「アート・ワーク・ケア・コミュニケーション」に視点を置いた社会福祉サービスなどについてお話をうかがう。
その後わくわくしながら、利用者の皆さんが活動されている場所を案内していただく。さりげなくあちこちに置かれた、心揺さぶられる素晴らしい作品たち。

絵画、織物、陶芸・・・など、それぞれのスタジオがあり、集中して作品を制作できる個人スペースがあったり、絵の具や糸などの材料が実に豊富で、作品をつくる環境が目を見張るほど整っていることに驚く。

やりたいことが見つからない人は、いろんな事に取り組めるフリースペースも用意されている。私たちの作品作りのヒントになるものを惜しげもなく、いろいろ見せていただき感動!
1階にはこの他に、ギャラリーとショップがあり、素敵な作品を思わずたくさん購入してしまった!?たくさんの刺激や学び、気づきをいただき、そして何より素敵な作品をたくさん見せていただいた、大満足の一日だった。

2月16日、2日目香芝市に移動。
GoodJob!Center KASHIBAに伺う。交通量の多いにぎやかな町の中にある、とてもおしゃれな建物、建築テーマは「街並みをつくるアートの森」とのこと。
カフェでお茶をいただきながら、この建物がつくられた経緯や建物へのこだわり、そしてめざすものについてお話を聴く。

「建物が人を集める、福祉施設プラスいろんな人が集まる場所」を大切に建物を設計されたこと、「社会に新しい仕事をつくりだすことをめざす、仕事を作ることが所得をあげること。」など、なるほどと考えさせられることばかり。
その後、建物の中を案内していただく。こだわりのある空間つくり、3Dプリンターやレーザーカッターが揃う工房、製品や作品を届ける流通拠点のストックルームなど、新たな仕事の創出、サポート体制が整っていることに驚いた。

建物をイベント時の会場やライブに貸し出したり、スタジオやホールをアートを通したコミュニケーションの場として活用することで、地域に開かれた場所になり、それが仕事につながっていくというお話も心に残った。デザイナー×福祉施設の新しいものづくりへの可能性と挑戦など、実に多様な取り組みの提案と実践の展開に、ただただ驚きと感心することばかりだった。

たんぽぽの家が実践されている「アートを通じて障害のある人たちが、個性を生かしてはたらく、表現する、主体性をもって暮らせる社会」は、私たちが日頃目指しているものと変わりなく、2日間の視察研修を終えて、大いに共感し、かつその取り組みは本当に素晴らしいものだった。これからのぽっかぽかの活動の参考やヒントになることもたくさん得ることができ、まだまだ可能性へ挑戦していきたいと思う。またこの地域全体の障がい福祉のあり方のひとつとして、みんなにぜひ知ってもらいたいと思う視察だった。

(西)